皆さんは物事を考えるとき、どのようなプロセスを踏んで思考しますか?
「思考プロセス?そんなこと考えたことないよ。」って方がほとんどかもしれません。
ということで今回はそんな人間の思考プロセスについて書かれた本。
『ビジュアル・シンカーの脳 「絵」で考える人々の世界』を紹介していきます。
([著] テンプル・グランディン [訳] 中尾 ゆかり/NHK出版)
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この本によると人間には2種類の思考タイプが存在しているとのこと。
1つ目は、言語思考タイプ。
これは言語で考える人たち。イメージとしては物事を考えるとき、頭の中でぶつぶつ独り言をつぶやくように思考を進めていく人たちです。
言葉に落とし込めば落とし込むほど、また話せば話すほど思考が明確になります。
2つ目が、視覚思考タイプ。
ビジュアル・シンカーと呼ばれ、絵や映像(ビジュアル)で考える人たちです。
ビジュアルで物事を考えるので言語を介さずとも思考が完結するようです。
この本を書いたテンプル・グランディンさんもビジュアル・シンカーらしく、考え事をするときはグーグルの検索画像をスクロールしたり、インスタグラムやTikTokのショートムービーを見たりしているように、画像で思考するとのこと。
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続いて現実に落とし込んで考えていきましょう。
個人的にしっくりくる場面としては、美術館に訪れたときだと思います。
皆さん美術館では「作品」と「キャプション」どちらをよく見ているでしょうか?
言語思考タイプは「キャプション」の方をよく見るかと思います。
なぜか。それは作品を見るだけでは作品の価値や魅力がいまいちわからないからです。
言語による説明。これを見て作品の価値や魅力を感じるかと思います。
では、視覚思考タイプの方はどうでしょうか。
おそらく「作品」の方をよく見ていると思います。
それはなぜか。作品そのものだけで、作品の価値や魅力を感じることができるからです。
言語を介さずとも思考が完結しているため、作品の価値や魅力を言語化したキャプションはあまり必要ないのです。
何となく自分の思考タイプが分かりましたでしょうか。
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とまあ大枠このような話が本書の序盤でまとめられています。
これだけでもうおなかいっぱいですが本書ではこの後、
「今の世の中、言語化が重視されている世界だよね。その要因は何だろう。」とか
「動物の思考ってどんな感じで行われているのだろう?言語はないからビジュアルかな?」なんて話が続いていきます。
世の中のいろんなことが腑に落ちて思考が止まらないのですが、今回はこんなところで。
続きが気になる方はぜひ読んでみてください。
ではまた。
ー追記ー
思考タイプの判断テストが無料で公開されてました。
興味のある方はぜひ。
https://mag.nhk-book.co.jp/article/34500