腐っても 投げ出さない

先日、レッドソックスからカブスに移籍することになった上原投手。
カブスの守護神アロルディス・チャプマン投手がヤンキースに復帰したため、
クローザー候補として声がかかったようです。
今季の上原はきついシーズンでした。
昨年は不調のため、クローザーからセットアッパーに転身。
セットアッパーとは中継ぎのことで、
試合の勝ち負けに関係なく8回を投げるというポジション。
クローザーをやっていた上原にとって、
精神的な負担は相当なものだと思われます。
その上、上原は、ケガをして1カ月半離脱してしまいます。
その渦中にいる時、テレビの取材を受けていました。
焦りと不安からイライラしている上原。
しかし、彼はインタビューでこう答えます。
「今、自分の与えられた役割をやるだけだ」と。
これは、言っていたというよりも、自分に言い聞かせていたという感じでした。
そして、こう続けます。
「サラリーマンとか、仕事してる人でも一緒でしょ。
自分がやりたいことがやれない時ってあるじゃない。
僕もそれと同じ。
腐ったら終わりでしょ。」
と。
上原の生活を密着してみると、
昼くらいに球場に入り、
夕方から試合をして、
夜11時くらいに家に帰り、
ビール1本とご飯を食べて寝る。
これの繰り返しでした。
大リーガーというと、僕らとは違うと思いがちですが、
日常はあまり変わらないです。
「やるべきことをやるだけでしょ」
と言っていますが、これって結構難しい。
調子の悪い時ほど、自分の可能性を試したくなる。
可能性を試すのは悪いことではない。
しかし、やるべきことをやった上で試すのと、
腐って試すのでは大違いだ。
取材を受けた時の上原は腐っていたと思う。
しかし、投げ出さなかった。
今やるべきことを、焦らずやっていた。
そして怪我から回復した約2か月後、上原の快進撃が始まります。
11試合連続無失点とし、
レッドソックスの3年ぶりとなるア・リーグ東地区制覇に貢献しました。
腐っても投げ出さなかったことが、実を結んだ結果です。
来年はカブスに移籍する上原。
1年契約で7億円だそうです。
これからは1年ごとが勝負。
持ち前の雑草魂で、長く活躍してもらいたいと思う。
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