新入社員に送った言葉

4月1日より、新入社員3名、中途社員3名、アルバイト1名の合計7名が入社。
総数が37名になりました。
会社の椅子が足りません・・・・

今期始まる前が29人でしたから、20％が新メンバーとなります。
これは当社にとっては大きなチャレンジ。
さて、これからどんな混乱が待ち受けているんでしょうかね？
怖さ半分、ワクワク半分、です。

毎年、入社初日に僕の研修があります。
当社の歴史、大切にしていること、1年目の心構えなどを伝える大切な時間です。
研修中にこんな質問をしました。
「あなたが社会で通用すると思っている武器（個性）はなんですか？」
少し考えてもらった後に発表してもらいます。
そして、次の質問を投げかけました。
「その武器が通用しない場合、あなたはどうしますか？」
みんなの顔が固まります。すぐに答えは出ません。
結構酷な質問だと思いますが、これが新社会人一年目では必ず起きる現象です。
これによってメンタルを壊してしまう人も多い。
僕も新社会人になった時、危うくそうなりそうでした・・・

29歳の時に新入社員になった僕の最大の武器は『コミュ力』。
どんな人とでも話ができるし、ノリもいい。
「これで社会を渡っていける！」
そう思っていました。
しかし、名刺の渡し方もわからない、
見積書・納品書・請求書の違いもわからない、
WordもExcelもまともに使ったことない。
ましてや実務経験ゼロ。
社会人としてのベースがない中での “コミュ力”なんて
ただのうっとうしいだけの武器。

「こんなこともわからないんですか？」
そんな冷たーい態度を取られ、
仕事もまったく依頼されなかった。
あれは、結構傷ついたなー。

“この武器は使えない”
そう思った僕は、最大の武器である『コミュ力』を手放しました。
そして、愚直にビジネスマナーや業界用語や仕事のルールについて学んでいったのです。
経験は積むしかないですから、どんな仕事でも嫌がらずに受けました。
できないことをひとつひとつ丁寧にクリアしていくことで、
徐々に信用してもらえるようになり、少しずつ自信がつき始めました。
そうなると、持ち前の『コミュ力』の出番です。
こうやって苦しい期間を乗り越えてきました。

気づいたんです。自分のもう一つの武器。
それは『しつこいこと』
いい表現にすると『真面目にコツコツ』なのですが、
僕の性格上、『しつこい』の方がしっくりきます。
『しつこさ』は決していい印象ではないですし、
表に出して「僕の武器はしつこさです」というものではないですが、
僕のベースを作ってくれている大切な個性です。
そして、最大の武器である『コミュ力』は、
この『しつこさ』の上に成り立っているものではないかと推測しています。

新入生たちに伝えました。
「君たちの武器は、今は通用しないだけ。だからもう一つの武器が必要なんだ。
その武器は決して派手ではなく、自分にとっては当たり前すぎて見落としてることかもしれない。でも、君たちを支えている大切なもの。これを見つけることがこの一年やることだよ」と。

社会人一年目は、成功と喪失を繰り返す一年。いや、喪失の方が多いことでしょう。でも大丈夫。それは社会で生きていくための大切な儀式であり、君たちの成長に不可欠な出来事であることを忘れないでほしい。
「もう一つの武器」
きっと、これからの君たちの人生を支えてくれるものになるはずです。

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今週も「週刊秋葉塾」を読んでいただき、ありがとうございます。
新入生が入ってくると、去年の1年生が一気に先輩の顔になります。
もう一つの武器を見つけた人間はこういう顔になるのかと思うと、嬉しい気持ちになります。
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