厚底シューズ

今回の箱根駅伝。今までの記録を1分30秒も縮める驚異的なタイムで青山学院が優勝。
今回の大会、ほとんどの選手が厚底シューズを履いていたのが印象的でした。
2016年、リオデジャネイロオリンピックでエリウド・キプチョゲ選手(ケニア)が初めて厚底シューズを履いて走りました。そこで彼は金メダルを獲得します。その後、厚底シューズを履いた選手が脅威的な記録を連発したことから、長距離界では「記録を出す=厚底シューズ」という方程式が出来上がりました。
2008年。水泳界に衝撃が走りました。
英国メーカーSpeedo社が開発した高速水着「レーザーレーサー」の誕生です。
縫い目がなく、撥水性に優れ、強い締め付けにより筋肉の凹凸をなくし水の抵抗を減らした水着。開発にはNASAの研究者も関わっていたそうです。
その年に行われた北京オリンピックでは世界記録が23個更新されました。道具による記録更新はよしとしない国際水泳連盟は2009年にルールを改定。ポリウレタンやラバーなど空気を通さない素材を貼り合わせた水着の着用を禁止したことで、レーザーレーサーは世の中から姿を消しました。
厚底シューズも同じような道を歩んでいくのでしょうか?
どうもそうではないようです。なぜならば、厚底シューズは履けば誰でも速くなるというものではないからです。
陸上界ではもともと薄底シューズが主流でした。
薄底シューズの場合、着地の際にいかに地面からの反発力を推進力に活かすかが走る上でのポイントになります。
一方厚底シューズは、ソールにカーボンプレートが挟まっており、その反発力を利用して前に進むという構造になっています。つまり、バネのついた靴で飛んで走っているような感じです。
今までと同じ走り方ではシューズの機能を活かせない。
走り方を変えれば使う筋肉も変わる。故障する場所も変わる。
青山学院の選手たちは、厚底シューズを使いこなすために試行錯誤しながらトレーニングをつづけていたそうで、相当な苦労があったみたいです。
着れば誰でも速く泳げる「レーザーレーサー」
履いただけでは速くならない「厚底シューズ」
どちらもすごいテクノロジーですが、
大きな違いは、使いこなすにはそれなりの努力が必要であること。
そして、だれでも同じ効果を得られるものは廃れていく。
世の中には、新しいテクノロジーがどんどん出てきています。
そして簡単に手に入ります。
それらの恩恵を受けるには、私たち自身がちゃんと努力しないといけないよということなんでしょうね。
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今週も週刊秋葉塾をお読みいただきましてありがとうございました。
今回の箱根駅伝は2位の順天堂大学との差は10分。
10区間ありますから1区間1分の差がついたということになります。
青山学院は1〜3年生が活躍した大会というのもあります。普通に考えたら来年逆転するのは難しい。
しかしですよ、他の大学がちゃんと厚底シューズに対応するトレーニングをしてきたらどうでしょうか?
1年後、どうなっているか楽しみです。
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