理念の共有、それともう一つ大切なこと

経営者団体EOでは、メンバーの会社を視察し、事業を中心にさまざまな話を共有することを「LALA」と呼びます。
LALAは「Lunch Around, Learn Around」の略だそうです。
僕は東北チャプターに所属しており、今回はそのメンバーの一人の会社を訪問しました。
彼は盛岡市で歯科クリニックを2店舗経営する若手経営者です。
お父様から引き継いだクリニックを、コロナ前からなんと4倍に成長させたという凄腕の持ち主。
今回は、そんな彼に聞いたビジネスの考え方をまとめてみました。
とても参考になる内容だと思います。
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①理念への共感
「私たち自身が今を大切にし、最高の人生を歩むことで、患者さんの心と体の健康を育み、人生の質を高めるパートナーとなること」
これが彼の掲げる理念です。
ただ理念を掲げるだけでなく、「まず理念に共感してもらうことが何より重要」だと彼は話します。
理念への共感は、その人が元々持っている素地によるところが大きいとのこと。
だからこそ、面接ではその素地を見抜けるかが勝負だといいます。
共感があって初めて、教育やトレーニングが生きてくる。彼はそう考えているのです。
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②離職率を恐れない
理念に共感できない人はいらない。理念が浸透しない人を幸せにはできない。
そう考える彼は、入社後の3ヶ月間でしっかりと見定めを行います。
合わない人には、早めに別の道を選んでもらった方が、その人にとっても幸せだからです。
彼が求める人物像は、以下の4つです
成長を喜びと感じられる人
感謝・奉仕の心を持てる人
目的・目標達成のために熱意を持てる人
チームで働くことに魅力を感じられる人
業種はまったく違いますが、僕もとても共感する部分が多くありました。
スタッフの皆さんともお会いしましたが、皆さん本当に明るくて素敵な方ばかり。
「顔採用してるんじゃない?」
と思わず聞いてしまったのですが、彼は少し照れながら、
「みんな入社したときより、どんどんかわいくなっていくんですよね」
と話してくれました。
きっと、それは会社の理念に共感し、それが自分の未来と一致しているからなのでしょう。
安心して仕事に取り組める環境って、本当に大切です。
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③顧客教育
彼のクリニックでは、診療時間を17:30までとしています。
その理由は、スタッフにもプライベートをしっかり楽しんでもらいたいからです。
「それでは来られなくなるお客様が増えるのでは?」
経営者であれば、そう考えてしまいがちです。
でも彼は違います。
「私たちが本当にやりたいことは、歯をよくすることで健康寿命を延ばすこと。
だから、治療の優先順位を上げてもらわなければ健康寿命は延びません。
有給休暇を取ってでも来てくださいと伝えています」
そう言って来院してくれるお客様の期待に応えるために、必死に技術を磨く。
この好循環をつくるためには、顧客教育が必要なのだと彼は言います。
僕は、彼ほど理念を重視していただろうか?
当社でも似たような取り組みをしているつもりでしたが、まだまだ甘さがあると感じました。
ただ、ふと疑問が湧きました。
理念を大切にすることだけで、本当に売上を4倍にできたのだろうか?
帰り道、車の助手席で彼に質問しました。
「どうやってお父様から引き継いだクリニックの売上を4倍にしたんですか?」
彼は教えてくれました。
まず取り組んだのは、Web集客の徹底です。
SEO対策のためにひたすら記事を書き、Googleマイビジネスで口コミを集めました。
その後はSNSにも力を入れ、現在は動画マーケティングにも積極的に取り組んでいます。
今年は、きぬた歯科のような大型看板にもチャレンジしました。
もう一つは、単価のアップ。
歯の治療は保険診療では限界があります。
患者さんの歯の健康のために必要な自由診療を積極的に提案していったことで、単価も顧客満足度もアップしたとのこと。
こうした取り組みにより、お客様が途切れることがなくなったといいます。
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僕は納得しました。
理念の共有と業績向上は、企業にとっての両輪だという確信を得たからです。
どちらが欠けてもいけない。
その両方を全力で回していく必要があります。
理念の共感と浸透で、自ずといい人材が残り、成長する人が増え、
結果としてより良いサービスを提供できるようになる。
一方で、マーケティングは他社に負けないくらい徹底的にやる。
共感も、浸透も、教育も、マーケティングも、一朝一夕にはいきません。
彼も、今の状態をつくるのに3年ほどかかったそうです。
「1年でなんとかしよう」と思ってしまうのが、僕の短気なところ。
今回のLALAは、
3年じっくり取り組む覚悟を持たせてくれたいい機会となりました。
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今週も「週刊秋葉塾」を読んでいただき、ありがとうございます。
30名規模の組織に、4名体制の「経営戦略室」がある。
彼らが、理念の浸透やマーケティングを考え実行していると聞いて、
彼の本気度を強く感じました。
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