リーダーの存在意義

ある日、所属する経営者団体の会長が逮捕されたというニュースが飛び込んできた。
違法オーナー商法の疑いという衝撃的な内容だった。
僕自身、この会の理事として、彼と共に活動していたため、
この出来事は他人事ではなかった。
彼の事業はエネルギー関係の投資事業で、
法律の変更によって予期せぬ問題が生じたようだ。
僕は彼の無実を信じていた。
しかし結果は『略式起訴』。
有罪となってしまった。
逮捕者が現役の会長ということもあり、理事会は混乱した。
『どうすればいい?』
『このまま放置してはいけないが……』
理事たちの表情には迷いと困惑が浮かんでいた。
逮捕という予期せぬ事態。
誰もがはじめての経験でどう進めればいいのかわからなかった。
このような場合、
理事会の規約に則って行動するのがルールではあったのだが、
血が通っていないように感じられる規約に従うことに違和感を感じた。
理事の中でも擁護派と推進派の2つに別れ、
議論は行き詰まり、進展しない日々が続いた。
意思決定が遅れたことで、理事への不信感、協賛企業の撤退、会員の退会など、
いろんな出来事が起こり、一時、空中分解寸前のところまで行った。
彼が逮捕されてから3ヶ月がたった。
理事会の努力と会員の前向きな姿勢により、
最悪の事態は乗り越えられたように思う。
この経験を通じて僕が痛感したのは、リーダーシップの本質についてだ。
理事会のメンバーはみな優秀だった。
法律の知識がある者、財務に強い者、組織改革のコンサルタント。
それでも機能しなくなる理事会を目の当たりにしたとき、
優秀さ以上に大切なことに気づいた。
リーダーがいるだけで場が明るくなる。
リーダーがいることで不安が和らぎ、元気が湧き、挑戦する気力が生まれる。
そうした「存在そのもの」がリーダーとして必要なのだと。
僕は少し勘違いしていたようだ。
今回の経験で、まずは元気でいようと強く思ったのだった。
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今週も「週刊秋葉塾」を読んでいただき、ありがとうございます。
彼は、太陽みたいな人物であった。
だから、元会長という以上に、反動が大きかったのかもしれない。
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