現状維持はありえない

これはイチローが番組『情熱大陸』で言った一言。
イチローらしいと言えばそうなのだが、
今までとちょっと印象が違っていた。

イチローは僕と同じ51歳。
でも、これまで一度も自分と彼を比べたことがなかった。
次元が違いすぎて、同じ年なのに別の人と認識していたからなのかもしれない。
羨ましいと思ったことなら、何度もある。
お金、実力、地位…。僕が持っていないものを彼は若い時からたくさん持っていた。
さらにベビーフェイスで、女性にも人気があった。

番組でイチローは、こう続けた。
「人間いつか必ず、出来なくなる日が、誰にでもくる。」
僕はこの言葉でハッとした。
若い時は、出来なくなる時が来るなんて思っていなかった。
「今やらなくても大丈夫、気分が乗ればいつでもやれる」
そう思っていた。

50歳を過ぎて、できることは限られていると感じる。
でも本当はそうではない。
出来ていたことが出来なくなる日がやってくるのだ。

思えば、確実に変化してきている。
体は固くなり、英単語を覚えるのも以前より苦労する。
寝不足による疲れの回復も2日かかるようになった。
少しずつ、できていたことができなくなってきているのだ。

イチローはこう続けた。
「無理できる時しか、無理できない」
彼は今、現役時代よりも強度を上げてトレーニングしているそう。
加齢による衰えを考慮しつつも、
自分の体と対話しながら、
どこまでできるのか挑戦し続けているのだそうです。

★

新年会である先輩経営者の話を聞く機会があった。
彼は58歳。最近体力の衰えを感じているそうだ。
「体が重いと、何をするにも億劫になり、何もしたくなくなってしまう」
そう嘆いていた。
50歳でガクッときて、55歳でもう一段ガクッと来たと言う。
彼は、先輩経営者から、
「そろそろお酒をやめた方がいい」とアドバイスされたそうだ。
60歳を過ぎてお酒を飲んでいる経営者は、みんな体調を崩しているのだとか。

僕は50歳になったタイミングで、ジムに通いはじめた。
偶然ではあったが、いいタイミングだったと思う。
そのおかげで、体力がガクッと落ちることもなく、逆にアップしている感じがある。
一方で、お酒を飲むと、寝ている時に、
体が頑張って毒素を排出しようとしているのを感じるようになった。
「無理できる時」
それはまさに、今なのかもしれない。
今まで遠く感じていたイチローが、身近に感じられた。

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今週も「週刊秋葉塾」を読んでいただき、ありがとうございます。

イチローと言えば「毎日朝カレー」
でも本当は、1年で最高でも80日しかカレーを食べていなかったそう。
イチローならやりそうだなって思ったのですが、
実はメディアが面白くしちゃっただけのようです。
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