Discover TOHOKU〜真実の日本、東北を発見する旅〜

「250人規模のグローバルイベントを立ち上げたい!それも、山形県酒田市で。」
今所属している東北の経営者団体、『EO North Japan』の会長が言い放った一言に、理事メンバーは凍りついた。
2024年の2月のこと。
この日から9ヶ月、挑戦と感動に満ちた長い旅がはじまった・・・
今年、EO North Japanは創立10周年を迎える。
その記念式典と一緒にグローバルイベントを立ち上げたいというのだ。
10周年のイベントを開催することには賛成だった。
それを世界から経営者を集めるイベントにすること、
しかも大都市ではなく、人口わずか10万人の酒田市でやるのことに、
僕は疑問だった。
日程は10月10日〜12日の三日間に決まった。
テーマは、真実の日本、東北を発見する旅「~Feel~」となった。
「このイベントは、心の解放と自己発見を通じて、
参加者全員が深い連帯を創生する旅です。
それはまるで、心が自由に羽ばたき、
新たな自分を発見すると同時に、
仲間との絆がしっかりと結ばれるかのような、感動的な3日間。
新しい自分と仲間との絆を手に入れ、
この旅は今、この瞬間から始まります。」
三日間のコンテンツは、起承転結になるように設計した。
【起】出発:オープニングイベント(1日目)
【承】体験:巡礼体験(2日目)
【転】解放:東北六大祭り(2日目)
【結】再生と連帯:芋煮会とクロージングイベント(3日目)
詳しくはDiscover TOHOKUのサイトに譲るが、
僕は実行委員の一員として、1日目と3日目の担当になった。
「出発」と「再生と連帯」をする大事なパートだ。
僕たちはこの9ヶ月、毎週4〜6時間くらい、このために時間を使った。
「250人の経営者を満足させるコンテンツをどうするか?」
「宿泊施設やアクセスは大丈夫なのか?」
「イベント間の移動はどうする?」
「食事は?ビーガンの対応は?」
実行委員はみんな経営者。
個性もアクも強く、時間も限られている。実務もスタッフにやってもらっている人がほとんど。
そんな人たちが集まって、カンカン・ガクガクやるわけだから、まともに進むはずがない。
誰が最終的な意思決定をするのかも曖昧だったり、
最初に決まったことが変わったり、予定以上の仕事が降ってきたり・・・
やはり、一番大変だったのは集客だった。
実は、残り1ヶ月を切った段階で、まだ人数は210名ほどしか集まっていなかった。
心の中で、もう無理だろうと諦めかけていた自分がいた。
しかし、会長と実行委員長だけは違っていた。
「全国の経営者に会って、来てもらうように直談判しよう!」
このイベントを通して得た気づきは三つある。
一つ目は、最後まで諦めない!やり切るということだ。
時間がかかるとか、お金がかかるとか、そういう言い訳をしないで、
思いついたことはやるだけやってみようという姿勢を目の当たりにした。
忘れてしまっていた感情だった。
僕たち実行委員は、各地方で開催されている例会に参加して、
Discover TOHOKUの宣伝のために日本全国を行脚した。
結局、230名までしか集まらなかったが、やるべきことは全てやった。
二つ目は、部下の気持ち。
今回僕は、会長と実行委員長の思いを形にする立場。いわば部下的なポジションだ。
こんなことがあった。
ある例会にDiscover TOHOKUの宣伝に一人で乗り込んで行った時のこと。
その時、上司からねぎらいの言葉をもらえなかったことがあった。
実行委員として当然のことをしたのだが、ねぎらいの言葉があったら、もっと頑張ろうと思ったと思う。
リーダーに期待していること、どんな声がけが嬉しいか、やる気を削いでしまう行動など、スタッフがどんな感情で仕事をしているかを知る大きな機会だった。
三つ目は、全力で楽しむこと。
イベント当日、会長から「苦労した準備のことは忘れて、もう楽しむだけだ!」という声がけがあった。
でも初日は、ちゃんと役割を全うすることを優先して、楽しむことができなかった。
悪い癖だ。
実際、リハーサル通り進んでいるかなんて、参加者にはわからないもの。
主催者が楽しんでこそ、参加者も一緒に楽しめると気づいた。
3日目に行われたの巡礼体験で、出羽三山神社までの石段を登った。
出羽三山は神の山と言われ、月山、羽黒山、湯殿山の3つの山で構成されている。
 羽黒山は現世の幸せを祈る山(現在)
 月山は死後の安楽と往生を祈る山(過去)
 湯殿山は生まれかわりを祈る山(未来)
出羽三山神社の三神合祭殿は羽黒山にあり、2446段の石段を登った先にある。
登る途中、「後ろを振り返ってはいけない」
そう言われた。
過去を振り返ってはいけないよという意味らしい。
秋の酒田市の天気は変わりやすい。
晴天率も低い。しかし、心配していた天気も3日間は快晴。
こんなにいい日が続くなんて奇跡的なことだ。
これも、最後まで諦めなかったことのご褒美かな。
参加者からは嬉しい言葉をたくさんいただいた。
中でも心に残ったのが
「メンバーからの愛に感動したよ!」
「EO内外合わせて過去一と言っても過言ではないイベントでした!」
「Discover TOHOKU最高でした!芋煮サイコー!」
参加者にとっては3日間の旅だったけど、
僕たちにとっては9ヶ月の旅だった。
終わってみればあっという間。そして過去の出来事。
思い出に浸っている場合ではありません。
最後まで諦めないこと、全力で楽しむこと。
その教訓を胸に、次のチャレンジに向かう準備は整った。
僕の本当のDiscoverが、始まる。

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今週も「週刊秋葉塾」を読んでいただき、ありがとうございます。
山伏体験は鍛えている僕でもちょっと辛かった。
途中、先を見るのをやめて、一段一段登ることに集中したら、少し楽になった。
ちゃんと計画を立てて、あとは実行することだけに集中したほうが
大事なんだなって、石段を登りながら考えていた。
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