初SAP

猪苗代湖で初めてSAPを体験した。
SAPはサーフボードのような板の上に立ち、オールで進むアクティビティ。
湖を優雅に散歩するようなイメージだ。

友人から「濡れてもいい服装で来てください」と言われ、短パンとTシャツで挑んだ。湖畔に到着すると浅黒いインストラクターが迎えてくれて、初心者の僕たちに15分くらいレクチャーしてくれた。立ち方や漕ぎ方、旋回の仕方、立つ時のコツ、そして落ちた時の対処法などを教わる。
「落ちることなんてあるの?」と聞くと、友人は毎回落ちているとのことだ。
いざ出発。教わったとおり、正座から膝立ちになり、すっと立ち上がる。思ったよりも簡単だった。それを見た友人が「そんなにすぐに立ち上がれる人いませんよ」と言った。僕は自信を持った。心はもうビギナーではなくなっていた。ほとんどのことはメンタルで左右されるのかもしれない。

オールを使ってゆっくり漕ぎ出す。膝を使うことでボートが安定するコツを掴んだ。旋回も無理しなければバランスを崩すこともない。友人と同じ速度を出して進んだ。

目の前に広がる広大な猪苗代湖。風もなく、波も立っていない。夏を感じさせる日差しが最高に気持ちがいい。1時間くらい湖の上を散歩を楽しんだ。少し慣れてきたこともあり、気を緩めるとバランスを崩しそうになる。5人の参加者の中には、まだドボンしている人は出ていない。

「落ちるやつ=下手なやつ」という考えを勝手に持ってしまっていた僕は、『SAPの上手い人』という評価を崩したくなかった。インストラクターが板の上を歩くパフォーマンスを見せた。その時、参加者の女性がチャレンジして湖にドボンした。メンバーの中で、初ドボンが女性になるとは思っていなかったので驚いた。

何かが変わった音がした。恐る恐るボードの上を歩こうとするが、なかなか足を離せない。足を離したら確実にドボンするという恐怖心と相反する好奇心。タイミングを見計らって勢いのまま足を離す。後ろにある右足を離し、前に。成功。すぐに左足を離し、前に。成功。その次は…。

止まることを考えていなかった僕は、その勢いのまま湖にダイブした。思ったよりも水は冷たかった。『初心者なのに上手い人』という称号を失った瞬間、「やっちまったー」という心が水の中でうごめく。水を含んだTシャツと短パンは重かったが、頭上の空はどこまでも青く晴れていた。

ボートにつかまり這い上がる。頭までびしょ濡れだ。ずぶ濡れの情けない格好。『上手い人』という評価はすっかり失われてしまった。しかし振り返ってみると、落ちるのを怖がっていた僕は、湖を眺める余裕もなく、ボードの上に立って操られている人形のようだったと思う。開き直った僕は、その後何度も何度も湖にダイブした。

ドボンする前はちょっとバランスを崩しただけで「あぶなっ!」って思っていたが、実はそんなことない。ボードを意識してさえすればギリギリまで攻めていける。これが幅になる。そして心の余裕も。湖の美しさ、磐梯山の雄大さ、風によって波立つ湖面。どれもが、ドボンする前とは別のもののように見えた。まさに新しい世界。

SAPってめっちゃ楽しい!

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今週も「週刊秋葉塾」を読んでいただき、ありがとうございます。
結局、一度もボードの上を歩くことができなかったが、9月に再挑戦する予定。
絶対できるようになりたい!
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