SCマガジン

当社の刊行誌『SCマガジン』は、お客様との大切なコミュニケーションツールとして年2回発行しています。
最新トレンドやスタッフの意外な一面などをお届けし、多くの方にご好評いただいている刊行誌です。
企画を考えるのは新入社員の役割。それを一つ上の先輩がサポートするというのが当社の伝統です。
企画したものを僕にプレゼンして、フィードバックをもらうということで、新入社員に企画の経験をさせることが狙いなのですが、最近になって、僕が新入社員を直接指導するのもなんか違うかなと感じていました。もう10年以上つづけているし、そろそろこの役割も部下に任せてもいいかなと。

「またか…」
今回の企画を見て、僕は残念に思った。
8月に発送する内容は、新入社員の紹介を漫画で行うというものでした。
正直言って、誰が他社の新入社員に興味を持つでしょうか？
去年あれほど新入社員紹介企画はやめようねって言ったはずなのに…。

企画において最も重要なことは『前提』です。
これは毎回、口酸っぱくなるほど強調してきました。
SCマガジンにおける前提は、
『誰もSCマガジンを楽しみにしていない』
この前提を基に、読者が『読んでみたい』と思うような内容とインパクトのある企画を考えることが大切です。

本当は、なかなか人気があって楽しみにしている人は結構いるんです。
でも、読んでもらえることを前提にすると、企画が甘くなってしまう。
以前、
「新入社員のカバンの中は何が入ってるの？」
という企画が上がってきたことがありました。
「誰が他社の社員のカバンの中興味あるの？アイドルじゃあるまいし」
と思わず聞き返してしまった。こういうのが前提を間違った企画です。

プレゼンに話を戻します。
「この企画ではお客さんに興味持ってもらえないので、もう一度やり直し。
新入社員紹介をしたかったらもっと工夫するように。」
そう伝えて再度プレゼンの機会を与えました。

次のプレゼンは一週間後に行われました。
僕はどんな企画でもオッケー出そうと決めていました。
自分たちで考えたものだし、やらせてあげようと思って。
上がってきた企画は前よりブラッシュアップされたものでした。
ただ、動きがモタモタしていて、段取りが悪い。
それ以上に不満なことがありました。やる気が感じられないのです。
プレゼンに勢いがない。テクニック優先になってしまっている。
これを先輩社員が何も思わなかったことに疑問を感じました。
当社の基本姿勢に
『元気で・謙虚で・清潔感があること』と書いてあるのに・・・。

「あー、そろそろSCマガジンもやめ時だな」
直感的にそう思ってしまった。
10年続いたものだし、途切れてしまうのには寂しさがあった。
しかし、やらされているのであれば、やるだけお金も時間も無駄。
別の教育をした方がいい。

「本当にやりたいことなのか？やりたいと思えなかったら今回スルーしてもらっても大丈夫だから。」
そう伝えて、どうするかを考えてもらうことになった。

こうなってしまったのも放置していた僕の責任だ。
元気とか覇気とかの重要性について、ちゃんと伝えていなかった。
このことを新入社員に直接伝えてしまうと圧が強くなってしまう。
僕は先輩社員を呼んで、こう言った。

「新人は知識も経験もない。でも若さと元気がある。
同じ内容をプレゼンしたって、やりたい！という気持ちがあればそれが伝わり、よし、それでやってみよう！と聞いた人の心は動くはずなんだ。
テクニックだけじゃなくて、こういった熱い思いを出さないとダメだと伝えて欲しい。こういうことを伝えるのが、2年目である君たちの役目でもあるんだよ。」

このことを伝えた時、僕ははっとした。
SCマガジンは新入社員のための教育だと思っていたが、実はひとつ上の先輩のための教育でもあったのだ。
そう考えれば、今後も新入社員にプレゼンする機会を与えるのは悪くない。
新入社員へのメッセージは、同時に彼らへのメッセージでもあった。

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今週も「週刊秋葉塾」を読んでいただき、ありがとうございます。
SCマガジンは2013年10月に創刊し、次回で第36号を迎えます。次号では、AIを取り入れた特集記事を予定しています。ぜひお楽しみに！
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