女の幸せ

小学6年生の娘と映画『ミステリと言う勿れ』を観に行った。
娘は僕との映画鑑賞が楽しみらしく、一緒に出かけるといろいろと買ってもらえることを期待しているようだ。
僕はいつも、「これが最後かもしれない」と思いながらその瞬間を大切にしている。
いつまで一緒にいってくれるのかな。

この映画で僕の心に深く残ったシーンがある。「女の幸せ」というテーマで議論しているシーンだ。
女の幸せというコトバ。
このコトバから受ける印象は、家庭に入って、家を守って、子供を育て上げること。
これって男社会が作ったもので、男の幸せという定義がないのはおかしいという議論。
社会が作り出したジェンダー役割に対する偏見だ。

『男らしいという言葉』
『女らしいという言葉』
この言葉が意味するものはなんだろう？
僕が思う女らしさって、優しくて、柔らかくって、しゃばらず、しおらしいことをイメージしてしまいます。
女性から見た男らしさってどんなイメージでしょうか？
勝手に想像すると、骨格がしっかりしてて、ヒゲとか生えてて少し毛深くて。不器用なんだけど優しい。困った時に頼もしい人。こんなことを想像するのかな？

僕が思う女らしさという概念は、小さい時に植え付けられたもののように思える。
家族3人男兄弟で育った僕は、女性に対して神秘的なものを想像していた。か弱くて守ってあげなければいけない存在。
それが恋愛を重ね、結婚して、娘が生まれたことで、そう思わなくなった。あまり男性も女性も変わらない。

「女々しい」という言葉。
”心が小さい。心根が柔弱 (じゅうじゃく・気持ちや体力が弱々しいこと）”

女女と書くけど、男によく使われる言葉だと思う。僕も自分で女々しいやつだなーって思うこと多々ある。社員が辞めたりするといつまでもぐちぐち悩むし、恋愛もメチャクチャ引きずるタイプだった。女性は自分が女々しいって感じることあるのかな？
女々しいという表現、英語だとsissyっていうみたいです。
語源はsisterなんだそう。こっちも語源は女性なんですね。
ジェンダー社会になって、こういう言葉自体をなくしていく必要があると思う。
言葉が思考を作り、社会を作っていくから。

子供のころ、メソメソしていると
「なんだ、その女の腐ったみたいなの！」って叱られたものだった。
男は強くなければいけない。そう植え付けられてしまったんだと思う。
この概念に引っ張られて、弱音を吐けない時間が長く続いた。

お笑いのゴルゴ松本が面白いこと言っていた。

僕も弱音を吐いていいと思っているタイプだ。
だって、人間なんて、みんな女々しい生き物だと思うから。
強がるなんてかっこ悪いって思っちゃう。
親への反抗なのかもしれないけど・・・

そんなことを、風呂場でゴルフシューズを洗いながらぼーと考えていた。
そういえば、実家にいる時に自分で部活で使ったバッシュを洗ったことなかったな。
多分母が洗ってくれていたんだと思う。
母は着物を縫う職人だった。体の強くない母は、家でできる仕事を選んだ。
僕が小学生くらいまでは忙しく仕事してたけど、
どんどん着物の需要がなくなってきて、内職と家事が中心となっていった。
母は家族みんなで地元で暮らすことを望んでいた。
しかし、僕も兄も今東京に住んでいる。
唯一の孫である僕の子供達とも会えていない。

母が選んだ道は、昭和の男性社会が求めた、ステレオタイプな女の幸せの道であったと思う。
この道は、彼女にとって本当に幸せだったのだろうか？
今度会った時に聞いてみようと思う。

-------------------------------------------------------------
今週も「週刊秋葉塾」を読んでいただき、ありがとうございます。
女の腐ったのって「熟女」という意味ですよね。
それって魅力的だってことじゃないですか！
別に、熟女好きっていってるわけじゃないですよ…。
-------------------------------------------------------------

＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋
＋
＋　このブログは毎週水曜日9時の
＋　メルマガにて配信しております。
＋　ご希望の方はこちらよりご登録ください。
＋　■週刊秋葉塾「昨日より少しマシな自分」
＋
＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋