わたあめ

実行委員のパパからLINEが入った。
「町内会の盆踊り大会でも手伝ってもらえませんか？」

小学校の夏祭りでフランクフルトを焼いた僕は戦力認定されたようで、盆踊り大会で出す出店でも手伝ってくれないかと声が掛かったのだ。
元々料理は好きだし、お祭りも好きだし、接客も好き。
声かけてもらって嬉しい自分がいた。

後日、担当の割り当てが上がってきた。
僕の担当はわたあめ。焼きそばとか焼鳥とかやりたかった。
焼きそばや焼鳥は個性が出る。腕を振るえるチャンスだと思っていたのに。
「わたあめか〜」
そう思ってちょっとテンションが下がる。まあしょうがないです。

当日、開宴1時間前に集まりわたあめの作り方をレクチャーしてもらう。
最初なかなかフワフワにならないのだが、何回かやるとコツを掴めていい感じのわたあめができるようになる。
これを袋に詰めて渡すというのが一連の流れ。
幼児が転んでわたあめの棒が喉に刺さった事件があったらしく、棒を外さなければいけないことになった。
実はこの“割り箸抜き”が難しい。
作る時に巻きすぎちゃうと割り箸が抜けづらくなる。力ずくで抜くとわたあめが押しつぶされてしまって、せっかくのフワフワ感が台無しに。
100円だからまあいいかーってならないのが僕らのプライド。
一人はわたあめを作る人。二人は袋を広げ棒を抜く係、もう一人はお会計と商品渡し。4人のおじさん達は最高にフワフワの状態を手渡したいとこだわった。

出店はフランクフルト、焼鳥、かき氷、磯部焼き、焼そば、ポップコーンが出ていたが、わたあめが一番人気。最長で1時間待ちだった。
最後尾のプラカード係もやった。
「1時間くらい待ちますけどよろしいですか？」と伝えるのが心苦しい。
行列店ってこういう気持ちで商売してるんだと思うと、精神衛生上あまりよくないなって思う。
1日目は3時間で172個売れた。

2日目。
初日の反省を踏まえて2時間早く集合。
初参加のメンバーもいてレクチャーと昨日の反省点を伝える。
問題は2点。
1点目は行列をなんとかすること。
初日はわたあめが萎むことを心配して作り置きしておかなかったが、さすがに1時間待ちはよくないので作り置きしておくことになった。
2点目は割り箸抜き。抜く時に潰れてしまわないように割り箸じゃない方がいいのでは？となった。竹の箸、菜箸など試した結果、太めのストローが一番適していることがわかった。それと、袋にいれる時に潰れないように針金で即席の輪っかを作って袋の口が開くようにした。

僕は新参者であるけど、こういうもののクオリティにはうるさいタイプ。だからついついリーダーシップをとってしまう。

僕のやり方は
①まずは自分でやってみせる。
②そのあとみんなにやってもらう。
③うまくいかなくても気にせず何度もやってもらう。
④ポイントだけアドバイスして、うまくいったら盛り上げる。
⑤みんなができるようになったら、自分は裏方にまわる。
⑥お客さん（今回は子供が多かった）と会話して楽しませる。

みんなが主体的に楽しくやっていく感じが好きだ。
こうやって全体がいい感じになるよう持っていこうとするのが僕のリーダーシップの特徴なんだなーって思った。

2日目は作り置きした50個が15分で完売。そこからは自転車操業的にわたあめを作り続けた。結局215個売れた。
オッサンたちが掛け声出しながら一生懸命わたあめ作ってる姿は、こっけいでかわいかったみたい。かわいいと言われるのは悪くない気分だ。

わたあめ担当かーって最初思ったけど、焼きそばなんかよりエキサイティングでチームでやった感があって逆によかったかもしれない。

今まで地域活動は妻に任せっきりで避けてきた。
仕事が忙しいということを理由にしていたのだが、
こんなことならもっと早く参加してればよかったなーなんて思ったりして。
2023年夏の思い出。わたあめ。
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今週も週刊秋葉塾をお読みいただきましてありがとうございました。
実は1日目だけの参戦だったのですが、面白くなっちゃって2日目も手伝いに行っちゃいました。
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