街人④

娘の学芸会の演目は『人間になりたかった猫』
彼女が選んだ役は『街人④』
街人④って・・・。それって選ぶ役じゃないでしょ。
妻と二人で決めたみたい。
兄貴と比較されるのが嫌とか受験勉強で忙しいとか…
「それって娘の意思なの？もっとさー、やりたいことやらたらいいんじゃないの？」
って思ったんだけど、言ったら言ったで揉めるので、
「そうなんだね」って答えた。

息子の時は『ピーターパン』と『走れメロス』。
彼はフック船長とディアニス王という準主役を見事に演じ切った。
小学校では伝説になっているみたい。
今度は娘の番だ。
そう思ってはりきっていたのに・・・

数日後。
「お父さん、どうやったらいいか教えて」
ってやって来た。
お！やる気あるじゃん。
台本を読んでみるとセリフが３つしかなかった。
息子の時はセリフも多かったし、出番もたくさんあったから色々遊べたんだけどね。
まずセリフから街人④の背景を想像する。
多分40歳くらいの太ったおばさん。
嫌味っぽく、いろいろ口を挟んでくるタイプと仮定した。

学芸会前日。
娘とセリフ合わせやろうといったんだけど全然やる気なかった。
もうセリフ覚えたし、街人だし、ってことみたい。
まあ、そうなるわな。

当日。
劇が始まる。
みんなマスクをかけたまま。
声はこもるし、表情も見えない。
コロナがまた流行り出したというのはわかります。
でもね、やり方はあったんじゃないかな。
事前にPCR受けるとか、透明のマスクにするとか。
なんでマスクのままにしたんでしょうね。

そうこうしているうちにいよいよ娘の出番。
ステージ近くまできて立ち止まる街人たち。
そしてステージの外からセリフをいう娘。
なんなんだ？これ・・・
これも密を避けるということなんでしょうか？

妻は街人の中でも主役との絡みがありそうな街人④を選んだみたい。
まさかステージに上がらないとは思っていなかったらしく、
それなら街人にしなかったと。
まあ、演出まではわからなかったからね。
そんな中でもよーく声は出てましたし、
セリフがない時も演技をしていて、ちゃんと教えた通りやっていました。
100点、あげていいんじゃないかな。

思い出したんですが、僕も小学生の時、村人役でした。
「コンコン狐と金剛院さん」という演目で。
その時の主役は先生たちが勝手に決めていた。
役とキャラクターが合っている人が選ばれたんだと思う。
でもね、俺だって主役やりたかったんです。
役者を目指すことになってしまったのは、
主役をやれなかったことがどっかに残っていたのかもしれませんね。

二学期が始まってから、娘は学校を休みがちでした。
お友達との関係が悪くなって朝学校に行きたくないって。
1ヶ月前くらいからやっと午前中だけ行けるようになって。
そういうこともあって、今回は目立つ役には立候補しなかったみたい。

本当は主役級の役やりたかったのかなぁー。
そしたら僕みたいに、どっかでやっちゃうのかも。
そんなことを心配してしまった学芸会でした。

--------------------------------------------
今週も週刊秋葉塾をお読みいただきましてありがとうございました。
趣味で役者やるのはいいんだけど、職業としてやるのは大変よ。
売れないとホントひもじいから。
--------------------------------------------
＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋
＋
＋　このブログは毎週水曜日9時の
＋　メルマガにて配信しております。
＋　ご希望の方はこちらよりご登録ください。
＋　■週刊秋葉塾「昨日より少しマシな自分」
＋
＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋