回路をひらく

先日テレビで『高嶋ちさ子と12人のヴァイオリニスト』のコンサートの様子が放送されていました。
今回は12人のヴァイオリニストだけの公演。
高嶋ちさ子は別のコンサートがあったため、一緒に出演できないということでした。
高嶋は彼女たちに自分たちでコンサートをつくることを伝えます。
そこで3つの課題を出しました。
1)プログラムは自分たちで決める
2)過去にやった奏法紹介はやってはいけない
(ごめんなさい、3つ目は忘れてしまいました)
公演まで10日となった時。
彼女たちの様子をモニタリングした高嶋は怒りを露わにします。
過去にやったことを焼き増ししている奏法紹介。
楽譜を見ながらの演奏。
プロとして失格だと。
チケットの売れ行きにも不満があったようです。
600席のチケットが200席しか埋まっていない。
彼女はいいます。
自分は炎上しようが叩かれようが、チケットを売ることを最優先に考えていると。
メンバーはチケットを必死に売ろうとしていないのではないかと(もしかしたら3つ目の条件がこれだったのかもしれません)
コロナ禍でコンサートができることがどれだけ貴重なことか。
自分たちが演奏できるのはお客様が来ていただいているからであると。
これからプロとして生きていくためには、必死になってコンサートを作っていかなければいけないのだということを伝えたかったようです。
高嶋さんの気持ち、わかります。けど、伝えるのって難しいですよね。
クリステンセンは『イノベーション・オブ・ライフ』の中でこう述べています。
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仕事で失敗する人は、もともと成功する能力が欠けているのではなく、
仕事に伴う困難に立ち向かう力を身につけるような経験をしてこなかったのだ。
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また、優秀な戦闘機パイロットを例にして、こうも言っています。
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彼らが最高の人材なのは、彼らが人より優れたスキルをもって生まれてきたわけではない。むしろ、仕事での適切な経験をとおして、大きな利害のかかった状況で挫折や極度のストレスに対処する方法を学び、優れたスキルを磨いてきたからなのだ。
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つまり、極限の状態で体験させるという方法でしか、わかってもらうことは難しいということです。
おそらく彼女たちの中には
「なんで私たちがこんなことしなければいけないの?」
と不満を持つでしょう。
もしかしたら12人のヴァイオリニストから去っていく人もいるかもしれません。
しかし、プロとして生きていくには必ず身につけなければいけないスキル。
今逃げても、後から必ずやってきます。
時間かけた分、強力になって。
結局、単独公演は216席しか埋まりませんでした。
彼女たちの演奏は努力と工夫は見られたものの、
プロとしては100点満点中28点と高嶋さんの評価は辛口でした。
最近、1、2年生を集めて新しい取り組みを始めました。
社内ごとを自分たちで作っていこうという取り組みです。
”自分たちで考え、失敗してもいいから最善の方法を試してみる”
そういう思考回路が繋がっていないと感じていました。
だから一度でいいからつながる体験をすれば、
その回路が使えるようになると思ったのです。
みんな真面目でいい子たち。だから今までのやり方を踏襲しようとします。
言われたことはきちんとできる。これはとても大切です。
でもそれでは足りない。
僕らはWEBのプロとして、常に頭を使い、工夫し、いろんなことを試していくという姿勢が必要なのです。
クリステンセンは最後にこう締めくくっています。
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将来の成功に必要なスキルを養う助けになる、適切な経験を探し出そう。
それはあなたが与える、最高の贈り物の一つなのだ。
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今週も週刊秋葉塾をお読みいただきましてありがとうございました。
まずは中期経営計画発表会のプログラムと司会をやるチーム。
その後の懇親会をやるチームに分けて自分たちで考えてやってみるよう指示しました。
どんな内容になるかはわかりませんが、精一杯盛り上げていこうと思います。
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